上里ただしです。6月22日、当蔵町自治会の皆さんと一緒に「安谷川御嶽(あだにがーうたき)」の草刈り清掃活動に参加しました。その日の様子と合わせて、安谷川御嶽がどのような場所なのかをわかりやすくお伝えします。
安谷川御嶽とは?
安谷川御嶽は、那覇市首里当蔵町にある琉球王国時代からの聖地で、市の有形民俗文化財に指定されています 。
入口に立つ石造りのアーチ門には、宝珠のモチーフがあり、これはかつて拝殿としての役割を果たしていたそうです 。
門をくぐると石畳が広がり、内側には馬蹄形の石囲いと神石が並びます 。
さらにその奥には涼やかな鍾乳洞(洞穴)が口を開けており、昔は女性の祭司(祝女)がここで祈りを捧げていたと伝えられています 。
住宅地の中に突然現れるこの場所は、まさに日常の中の“異空間”。保育園やマンションに囲まれ、
普段は人も少なく、静けさと神聖さに包まれています 。
6月22日・清掃活動の流れ
1. 午前中:草刈りスタート
当日は朝から那覇らしい日差しが照りつける中、自治会事務所前に集合。地域の方々約10人と共に、草木が生い茂る御嶽拝殿裏へ向かいました。人がなかなか立ち入らない場所だけに、雑草がかなり密に伸びていたのが印象的です。
2. 1時間以内でスピード作業
熱中症対策として、作業時間は1時間以内と決めてスタート。刃物や鎌、手袋を使い分け、根ごと刈り取る本格的な作業を共同で進めました。参加者同士で声を掛け合いながら、無理のないペースで確実に進行。
3. 終了後の変化と感想
短時間ながら、10人の力が集まれば驚くほどきれいになります。草に埋もれていた石畳や神域が顔を出し、拝殿裏の空間がしっかり視界に戻ってきた感覚。ぱっと明るく見通しがよくなったのが、とても嬉しかったです。
ご褒美の洞穴体験
作業を終えた後、「せっかくだから」と洞穴の内部にも足を踏み入れました。入口は狭く、ひんやりとした空気が中から絶えず流れ出ます。まるで冷房の効いたような涼しさに、身体の熱が一気に引いていくようで、「ああ、ここに来てよかった」と心から感じました。
自然の中に包まれた神聖な空間は、清掃の疲れを一瞬で癒してくれる“ご褒美”のよう。ちょっと神秘的で、でもすごく気持ちの良い体験でした。
アクセスと周辺の魅力
- 場所:那覇市首里当蔵町。首里城からも近く、ゆいレール儀保駅から徒歩10~15分 。
- 周囲の環境:住宅や保育園に挟まれ、地元の散歩コースに溶け込んでいます 。
- 施設情報:入場は無料。駐車場はありません。
- 見どころ:アーチ門、香炉、石畳、神石、そして奥の洞穴。歴史的な構造が凝縮された空間です 。
地域の想いと未来へ
安谷川御嶽は、琉球の祖先たちが大切にしてきた祈りの場。王府時代には高級女性祭司・
首里大阿母志良礼(しゅりおおあむしられ)が祭祀していたと記録されています 。
その伝統は、地域の人々の手によって今も息づいています。
清掃活動を通じ、歴史と自然の価値を改めて実感することができました。
手を入れることで見えるものがあり、心に残る体験があり、そして次へつなぐ責任をあらたに感じます。
「安谷川御嶽、また行こうね」と話しながら帰路につく皆さんの顔には、晴れ晴れとした笑顔が広がっていました。
それが、私にとって何よりの励みです。
最後に
- 琉球王国時代からの文化財:神聖なアーチ門、馬蹄形石囲い、洞穴を持つ由緒ある御嶽です。
- 地域の清掃活動の現場:普段手が届かない場所を皆で整えることで、空間が甦ります。
- 涼と静謐の洞穴体験:真夏の蒸し暑さを忘れさせる貴重なクールスポット。
- 公共交通で気軽に訪問:ゆいレール儀保駅からすぐ。那覇散歩のついでにもぴったり。
活動の中で、安谷川御嶽が単なる歴史的存在ではなく、今も地域の“心の拠り所”であることを強く感じました。
これからもできる限り関わり、サポートし続けたいと思います。
皆さんもぜひ、那覇の静かな御嶽で「日常の中の非日常」を体感してみてください。
気持ち良い風と涼しさ、そして地域の営みに出会えるはずです。
ご一読ありがとうございました。ご意見やご感想、他に知りたい情報がありましたら、気軽に教えてください!
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