上里ただし 崇元寺

崇元寺跡を愛するすべての方へ

崇元寺跡がついに「国指定史跡」に!

今朝の地元紙に報じられていた通り、これまで重要文化財に指定されていた崇元寺の石門一部にとどまらず、崇元寺跡全体が国の「国指定史跡」になることが決定されました。市議会でも繰り返し取り上げてきたこの問題が、ついに大きな一歩を踏み出す日を迎えました。


背景と経緯

崇元寺は、かつて琉球王朝時代における最も重要な王家の代々の位牌があった霊廟の一つとして、
すごく神聖で重要な場所で琉球王国時代から長い歴史を刻んできた場所です。

しかし、これまで文化財として認められていたのは、石門と下馬碑など“線”的な構造物のみ。そこで私は、市議会で以下のように提案・要請してきました。

  1. 崇元寺跡全体の文化財指定
     石門の裏側や、かつての境内だった広場部分も含め、面で保護すべきと強く主張しました。
  2. 早期指定のお願い
     文化庁に書面や口頭で働きかけ、経緯や意義を丁寧に説明しました。

喜びとその意味

今回、ついに「崇元寺跡全体」が国指定史跡となります。

  • 過去の“線”での保護から、“面”での保護へと一歩進んだということです。
  • 石門・下馬碑だけでなく、裏側の空間やかつて王家の正廟があった広場も正式に守られるようになります。
  • 今後は、土地常盤化や遺構保護整備のための補助が国からも受けられ、保存・活用がさらに進みます。

将来への展望

この指定はゴールではなく、大きなスタート地点です。いくつかの展望をご紹介します。

1. 正廟(せいびょう)の復元

かつて崇元寺には王家の正廟(お寺の中心となる霊廟)がありました。
この史跡指定を契機に、建物や遺構を学術的根拠に基づき復元し、創建当時の姿に近づける取り組みが現実味を帯びてきます。復元された正廟により、崇元寺は「元あった場所に立つ王家の霊廟」としての存在感を一層取り戻すでしょう。

2. ガイダンス施設の開設

また、令和9年度(2027年度)には、崇元寺跡入口や近隣に「ガイダンス施設」の開設も予定されています。

  • 歴史展示やVRによる当時の風景体験、ガイドツアーの拠点機能などが想定されています。
  • 観光客や地元の方々が、まずここで崇元寺の歴史や文化を理解し、その後実際の遺跡へと足を運ぶ流れができます。
  • 那覇の歴史観光の起点としても大きな役割を果たし、まち歩きやミニ博物館としての機能を果たすことでしょう。

市民のみなさんへの呼びかけ

私たちがこれまで積み重ねてきた議会での要望、現場対応、文化庁への働きかけ、すべてが結実しました。
今後は、指定を得たから終わりではなく、これからの整備と運営、活用によって、どれだけ多くの市民や観光客に愛される場所にしていけるかが問われます。

  • 市民のみなさんには、保存活動やイベント、文化財講座等への参加を呼びかけたい。
  • 観光関係者の皆さまには、崇元寺跡を那覇市の歴史観光ラインナップにしっかり組み込んでいただきたい。
  • 教育現場の先生方には、校外学習の場として、崇元寺跡を活用していただきたい。

おわりに

崇元寺跡が“面としての”国指定史跡になる――これは、那覇の歴史資源を市民とともに文化・観光・教育に活かしていく上で、とても意味のある一歩です。

石門の前を通りかかるたびに、「ここまで来たか」という喜びを感じます。
正廟の復元やガイダンス施設の整備が進めば、地元の宝として、崇元寺跡には新たな命が吹き込まれるでしょう。

改めて、これまで支えてくださった皆さま、応援してくださった市民の皆様に、心から感謝いたします。
今後とも、整備の進捗をしっかり見守りながら、那覇市のみならず、沖縄全体に誇れる文化遺産の創出に、全力で取り組んでまいります!


この内容は市民目線から考えるラジオでも配信しています。
ぜひラジオも合わせてご視聴ください。
たーしーなにしてるばぁ~ポッドキャスト(上里ただし)

— 那覇市議会議員 た〜し〜(上里ただし)


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: